REPORT

  • 2023.08.27

【決勝】尚美学園×IPU

尚美学園 8-2 IPU

西武、日ハムで活躍した新谷博監督率いる尚美学園がIPUとの決勝を制し、和歌山県で行っている「全日本大学女子硬式野球選手権大会」の最多となる8回目の女王に輝いた。

 

尚美学園は初回に1番・石垣麻弥乃が右前打で先陣を切ると、1死二、三塁の場面で4番・村田凪佐が中前適時打で先制の1点をあげた。2回表には先頭の6番・小谷陽菜が右中間二塁打でチャンスをつくり、後続の犠打で三塁へ。8番・三條志歩の中前適時打でさらに1点を追加した。

 

投げては、1年生左腕の吉沢さくらが3日連続の先発。4回裏、IPUの6番・杉山華夢が左越二塁打、8番・丸山詩緒の中前打で1死一、三塁のピンチを背負うも、捕手・戸田若菜が好判断で飛び出していた三塁走者を刺し、相手打線の反撃を凌いだ。

 

尚美学園は5回表、8番・三條志歩が失策に乗じて一塁へ出ると、1番・石垣麻弥乃から三者連続安打でさらに2点を追加。IPUの先発右腕・土屋愉菜はここでマウンドを下りると、4番・指名打者の竹内くららが救援に向かって悪い流れを断ち切った。

 

その裏の攻撃でIPUは反撃に出る。4番・竹内の右前打で1死一、三塁のチャンスをつくると、相手失策の間に1点を奪った。さらに、6回裏にも3番・才川珠貴の右前適時打でさらに1点を返し、点差を2点に縮めた。

 

しかし、大会最多優勝を誇る尚美学園は、追従を許さなかった。7回表、二死満塁の場面で7番・本間茜梨が走者一掃の右越適時三塁打を放ち3得点。さらに捕逸の間にこの試合8点目を奪い、6点差にリードを拡大した。

 

この回、尚美学園は打者一巡の猛攻で4点を得ると、裏の攻撃を三者凡退に抑えた。初回からマウンドに立つ吉沢は、これで3日連続の完投勝利。最速117キロのストレートとキレのある変化球を武器に、決勝トーナメントの全試合を1人で投げ抜いた鉄腕は、歓喜の輪の中心で涙を堪えていた。